本シリーズの概要と一覧はこちらからどうぞ。
Active Directoryとストレージの構築が完了しましたので、ここからRACの構築に入ります。
大きな流れとしては、
- 各RAC Nodeの事前設定
- Oracle Grid Infrastructureのインストール
- ASMディスクの設定
- Oracle Databaseのインストール
- データベース構築
となり、本エントリでは各RAC Nodeの事前設定を行います。
ここでの手順は分量が多いため3回に分けます。
以降の手順はRAC Node #1とNode #2の2台のホストに対して行います。
初期設定とドメインへの参加
これまでのサーバー同様にPingを通る様にしてホスト名を設定します。
# # Configure Windows Firewall # Set-NetFirewallRule –Name "FPS-ICMP4-ERQ-In" –Enabled True Set-NetFirewallRule –Name "FPS-ICMP6-ERQ-In" –Enabled True Set-NetFirewallRule –Name "FPS-ICMP4-ERQ-Out" –Enabled True Set-NetFirewallRule –Name "FPS-ICMP6-ERQ-Out" –Enabled True # # Rename Computer # ReName-Computer "oraserver01" -Restart # ReName-Computer "oraserver02" -Restart
再起動後、PublicネットワークのDNS設定を変更してドメインに参加します。
# # Configure DNS # Get-NetIPAddress | Where-Object { $_.IPAddress -like "192.168.33.*"} | Set-DnsClientServerAddress -ServerAddresses @("192.168.33.11") # # Join Domain # $DomainName = "contoso.local" $Cred = New-Object PSCredential("administrator" , (ConvertTo-SecureString "P@ssw0rd" -AsPlainText -Force)) Add-Computer -DomainName $DomainName -Credential $Cred -Restart
RAC構築前準備(OS要件など)
ここから実際に各ノードの前準備を行います。
基本的には以下のインストレーションガイド、
Oracle® Grid Infrastructureインストレーション・ガイド 12c リリース1 (12.1) for Microsoft Windows x64 (64-Bit)
および
Grid Infrastructure Installation Guide (英語版)
の内容に従うだけなのですが、この前準備に漏れや間違いがあるとGrid Infrastructureのインストール時に謎なエラーを出してしまうためここでの準備はかなり重要になります。
上記のインストレーション・ガイドを注意深く読みこんでおくことが必要になります。
以降はインストレーションガイドから設定内容を抜粋して記載していきます。
(※今回の環境に必要な分のみを記載するので、実環境でRACを構築する際は別途作業が必要になるかもしれませんのでその点はご留意ください)
1 Oracle Grid Infrastructureインストールのチェックリスト
今回の準備にはあまり関連しませんが、実際に業務などでRACを構築する際は一読しておくべきです。
2 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのサーバーの構成
今回の準備にはあまり関連しませんが、実際に業務などでRACを構築する際は一読しておくべきです。
3 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのオペレーティング・システムの構成
3.3.1 Windows Telnet Servicesのサポート
インストレーションガイドではTelnet Serviceのインストールを指示していますが、なくてもRACは構築可能です。
必要があればインストールしてください。
3.5.1 WindowsサーバーにおけるWindowsファイアウォール機能
RACインストール時はWindowsファイアウォールを無効にしてください。
インストール後はファイアーウォールを有効にできるとの事なのですが、自分が試した限りではエラーが出まくったためファイアーウォールは無効のままの方が良いかもしれません。
一応インストレーションガイドの『8.1.3項「Windowsファイアウォールの例外の構成』にその手順が記載されています。
PowerShellから以下の様にしてWindowsファイアウォールを無効にできます。
Get-NetFirewallProfile | Set-NetFirewallProfile -Enabled false
3.8.1 Windows Timeサービスの構成 - Slewモード用
WindowsのデフォルトではSlewモードの設定が短すぎるためWindows Timeサービスの設定を変更します。
PowerShellから以下のコマンドを実行します。
W32tm /register $RegPath = "HKLM:\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\W32Time\Config" Set-ItemProperty $RegPath -name MaxPosPhaseCorrection -Type DWord -value 600 Set-ItemProperty $RegPath -name MaxNegPhaseCorrection -Type DWord -value 600 Set-ItemProperty $RegPath -name MaxAllowedPhaseOffset -Type DWord -value 600 W32tm /config /update net stop w32Time net start w32Time
次へ続きます。