しばたテックブログ

気分で書いている技術ブログです。

Windows Serverに最小構成でRedmineをインストールする

WindowsにRedmineをインストールする方法としてはBitnami Redmine Installerを使うのがメジャーですが、個人的な要件でできるだけ最小構成にしたく、MySQLを使わずにSQLiteを、Apacheも使いたくなかったので幾つかのサイトを参考にして自力でインストールを試みました。

0. はじめに

参考サイト

本エントリは以下のサイトの手順を参考にしました。

検証環境

検証環境は以下となります。

  • Windows Server 2012 R2

    • インストール直後の状態に最新のWindows Updateを適用した状態
  • Windows PowerShell 4.0

    • デフォルトでインストールされているPowerShellをそのまま使います

前回のエントリの構成と同じです。

また、インストールするするRedmineのバージョンは現時点の最新のVer.3.4.2としました。

【2017/08/17 追記】

Windows Server 2016 + PowerShell 5.1の環境でも本手順が動作することを確認しました。

【追記ここまで】

1. Ruby(RubyInstaller)のインストール

rubyinstaller.org

Redmine 3.4.2ではNokogiri 1.7.2が使われており、これがRuby 2.4系に対応していなかったため今回はRuby 2.3.3(64bit版)をインストールします。

GUIのインストーラーからインストールしても構わないのですが、面倒なのでPowerShellから以下のコマンドでサイレントインストールします。

$RUBY_VER = '2.3.3'
$RUBY_INSTALL_PATH = 'C:\Ruby23-x64'
# ダウンロード
Invoke-WebRequest -Uri "https://dl.bintray.com/oneclick/rubyinstaller/rubyinstaller-$RUBY_VER-x64.exe" -OutFile "$(Get-Location -PSProvider Filesystem)\rubyinstaller-$RUBY_VER-x64.exe"
# インストール
Start-Process -FilePath ".\rubyinstaller-$RUBY_VER-x64.exe" -ArgumentList @("/dir=""$RUBY_INSTALL_PATH""", '/silent', '/tasks="addtk,modpath"', '/lang=ja') -Wait -PassThru

# PowerShellを再起動しない場合はPATHを追加しておく
$env:PATH = "$(Join-Path $RUBY_INSTALL_PATH "bin");" + $env:PATH

Rubyのインストールオプションは以下となります。

  • インストール先 : C:\Ruby23-x64
  • インストールオプション :
    • Tcl/Tkのサポートをインストールする
    • Rubyの実行ファイルパスをPATH環境変数に追加

続けてDevelopment Kitをインストールします。
以下のコマンドを実行してC:\MinGWに展開しておきます。

# Development Kit(Ruby 2.0~2.3向け)のインストール
$RUBY_DEVKIT_INSTALL_PATH = 'C:\MinGW'

# ダウンロード
Invoke-WebRequest -Uri "https://dl.bintray.com/oneclick/rubyinstaller/DevKit-mingw64-64-4.7.2-20130224-1432-sfx.exe" -OutFile "$(Get-Location -PSProvider Filesystem)\DevKit-mingw64-64-4.7.2-20130224-1432-sfx.exe"

# 解凍+展開
Start-Process -FilePath ".\DevKit-mingw64-64-4.7.2-20130224-1432-sfx.exe" -ArgumentList @("-o""$RUBY_DEVKIT_INSTALL_PATH""", "-y") -Wait -PassThru

# Gemのインストールに必要なためPATHを追加しておく
$env:PATH = "$(Join-Path $RUBY_DEVKIT_INSTALL_PATH "bin");$(Join-Path $RUBY_DEVKIT_INSTALL_PATH "mingw\bin");" + $env:PATH

以上でRubyとDevelopment Kitのインストールは完了です。

2. Redmineのインストール

2-1. Redmineのダウンロードと解凍

ここからRedmine 3.4.2のインストールを行います。
以下のコマンドでC:\redmine-3.4.2にソースを展開します。

$REDMINE_VER = '3.4.2'
$REDMINE_INSTALL_ROOT = 'C:\'
$REDMINE_INSTALL_PATH = Join-Path $REDMINE_INSTALL_ROOT "redmine-$REDMINE_VER"

# Zipのダウンロード
Invoke-WebRequest -Uri "http://www.redmine.org/releases/redmine-$REDMINE_VER.zip" -OutFile "$(Get-Location -PSProvider Filesystem)\redmine-$REDMINE_VER.zip"

# PowerShell 4.0だとZipを扱えないのでRubyで頑張って解凍する
# ※いったんカレントディレクトリに解凍してから移動している
gem install rubyzip --no-rdoc --no-ri
ruby -e "require 'zip'; Zip::File.open('.\redmine-$REDMINE_VER.zip') do |zip| zip.each do |entry| puts \""entry #{entry.name}\""; zip.extract(entry, entry.name) { true } end; end"
Move-Item ".\redmine-$REDMINE_VER" $REDMINE_INSTALL_ROOT -Force

ちなみに、Zipの解凍についてはPowerShell 5.0以降であればExpand-Archiveコマンドが使えます。

# PS 5.0以降ならExpand-Archiveで解凍可能
Expand-Archive -LiteralPath "$(Get-Location -PSProvider Filesystem)\redmine-$REDMINE_VER.zip" -DestinationPath $REDMINE_INSTALL_ROOT

2-2. 事前準備

ここで先にconfig/database.ymlを設定します。
今回は最小構成にしたいのでSQLiteにします。

# config/database.yml を設定。SQLiteを使用する。
@"
# SQLite3 configuration
production:
  adapter: sqlite3
  database: db/redmine.sqlite3
"@ -replace "`n","`r`n" | Set-Content (Join-Path $REDMINE_INSTALL_PATH "config\database.yml") -Encoding Default

また、アプリケーションサーバーにThin 1.7.2を使用したいので、Gemfile.localを作成しRedmineで使用するGemをカスタマイズします。

# Gemfile.local を設定。thinを使う設定を追加。
@"
gem "thin", "1.7.2"
"@ -replace "`n","`r`n" | Set-Content (Join-Path $REDMINE_INSTALL_PATH "Gemfile.local") -Encoding Default

2-3. インストール作業

ここから本格的に設定を開始します。
セットアップのためのBundlerとThinをWindowsサービス化するためにthin_serviceをインストールします。

# 事前に必要なGemのインストール
# ※thin_serviceはbundle installでは正常に動作しなかったためgem installにしている
gem install bundler --no-rdoc --no-ri
gem install thin_service --no-rdoc --no-ri

続けてRedmineを展開したディレクトリに移動してbundleコマンドを実行していきます。

# ディレクトリ移動
cd $REDMINE_INSTALL_PATH

# 64bit版のためImageMagic抜きで(--without rmagick)bundle install
bundle install --without development test rmagick --path vendor/bundle

# セッション改ざん防止用秘密鍵の作成
bundle exec rake generate_secret_token

# データベースのマイグレーション
bundle exec rake db:migrate RAILS_ENV="production"

# 初期データのロード
bundle exec rake redmine:load_default_data RAILS_ENV="production" REDMINE_LANG="ja"

2-4. 動作確認

ここで動作確認のためにThinをコマンドラインから起動します。
こちらは必要に応じて行ってください。

# 動作確認のため、必要に応じて実行する
# http://localhost:3000/ にアクセスして動作を確認する
bundle exec thin start -e production -p 3000 -a 0.0.0.0 -c "$REDMINE_INSTALL_PATH"

もしThinの起動に失敗する場合はwebrickで確認してみるのも良いでしょう。

# 動作確認のため、必要に応じて実行する
# http://localhost:3000/ にアクセスして動作を確認する
bundle exec rails server webrick -e production

2-5. Windowsサービスの設定

動作確認に問題がないことを確認したら、最後にthin_serviceコマンドを使い、Redmine(Thin)をWindowsサービス化します。

# サービス登録
$REDMINE_SERVICE_NAME = "Redmine"
$REDMINE_INSTALL_PORT = 3000
thin_service install -N $REDMINE_SERVICE_NAME -c "$REDMINE_INSTALL_PATH" -p $REDMINE_INSTALL_PORT -e production
# サービス起動
Start-Service Redmine

外部からアクセスする必要がある場合はFirewallのポートを開けておきます。

# ポート開放
New-NetFirewallRule -DisplayName $REDMINE_SERVICE_NAME -Group "Redmine" -Direction Inbound -Protocol Tcp -LocalPort $REDMINE_INSTALL_PORT -Action Allow

以上でインストールは完了です。
http://localhost:[$REDMINE_INSTALL_PORTのポート番号]/にアクセスすればRedmineがふつうに使えます。

f:id:stknohg:20170808212404p:plain

f:id:stknohg:20170808212419p:plain

注意事項

今回の手順ではRedmineに対してHTTPのみ利用可能でHTTPSでアクセスすることができません。

通常ThinでHTTPSアクセスするには起動時の引数に--sslを付ければよいのですが、今回の環境では--sslを付けて起動しても、HTTPSでアクセスされたときにThin内部で利用してるEventMachineが以下の様なエラーを吐いてしまいます。

terminate called after throwing an instance of 'std::runtime_error'  
what():  Encryption not available on this event-machine

f:id:stknohg:20170808213030p:plain

HTTPSアクセスするための方法は次のエントリで紹介します。

blog.shibata.tech

VisualSVN Server上のApacheでTracを動かしてみる

非常にレガシーなはなしです。

Trac Lightningからの移行をどうしようか悩んだ末に検証した内容なのですが、おそらくこれを本番環境で採用する事はないと思います。*1

一応最低限の動作を確認したので備忘録としてエントリを残しておきます。

0. はじめに

本エントリの前提としては、

  • Windows Server上のSubversionでソース管理をする
  • 小規模なオンプレ環境

となります。
Trac Lightningからの移行だけを考えるのであれば、Windowsを捨てる、Subversionを捨てる、Tracを捨てるというのが割と現実解になりますが、本エントリではその点は考えないことにします。

検証環境

検証環境は以下となります。

  • Windows Server 2012 R2
    • インストール直後の状態に最新のWindows Updateを適用した状態
  • Windows PowerShell 4.0
    • デフォルトでインストールされているPowerShellをそのまま使います

試していませんが、Windows Server 2016でも問題はないかと思います。
試しました。Windows Server 2016+PowerShell 5.1でも本手順は動作します。

1. VisualSVN Serverのインストール

SubversionサーバーとしてVisualSVN Serverを採用します。
バージョンは現時点で最新のVer.3.6.3にします。

こちらはGUIのインストーラーからインストールしても構わないのですが、面倒なのでPowerShellから以下の様にしてサイレントインストールします。

# Install VisualSVN Server
$VISUALSVN_VER = '3.6.3'
$VISUALSVN_INSTALL_PATH = 'C:\Program Files\VisualSVN Server'
Invoke-WebRequest -Uri "https://www.visualsvn.com/files/VisualSVN-Server-$($VISUALSVN_VER)-x64.msi" -OutFile "$(Get-Location -PSProvider Filesystem)\VisualSVN-Server-$($VISUALSVN_VER)-x64.msi"
Start-Process -FilePath "msiexec.exe" -ArgumentList @('/i', "$(Get-Location -PSProvider Filesystem)\VisualSVN-Server-$($VISUALSVN_VER)-x64.msi", '/qb', "INSTALLDIR=""$VISUALSVN_INSTALL_PATH""", 'USE_SSL=1', 'ADDLOCAL=Server,Manager,AddSvnToPath') -Wait -PassThru

このインストールでは、

  • インストール先 : C:\Program Files\VisualSVN Server
  • インストール対象 :
    • VisualSVN Server - Standard Edition
    • Administration Tools
    • コマンドラインのPATHを追加

のインストールを行います。

インストール後の設定として、今回は認証方式をWindows認証とし、ローカルAdministratorをなんでもできるユーザーにしておきます。

# PowerShellを再起動していれば、Import-Module VisualSVNとしても良い
Import-Module (Join-Path $VISUALSVN_INSTALL_PATH "PowerShellModules\VisualSVN")
# 認証方式をWindowsn認証に
Set-SvnServerConfiguration -AuthenticationMode Windows
# ローカルAdministratorの権限設定
Add-SvnAccessRule -Global -AccountName "$(hostname)\Administrator" -Access ReadWrite

また、必要があれば以下の様にしてサンプルのリポジトリを作成することも可能です。

# 必要があればリポジトリを作成
New-SvnRepository -Name SampleProject
New-SvnRepositoryItem -Repository SampleProject -Path ('/branches', '/tags', '/trunk') -Type Folder

これでVisualSVN Serverのインストールと設定は完了です。
この時点でふつうにVisualSVN Serverに対してWebアクセスできます。

f:id:stknohg:20170803185941p:plain

2. Pythonのインストール

www.python.org

Tracを動作させために、先ずはPythonをインストールします。

Tracは未だにPython3系に対応していないため、Python 2.7.13をインストールします。
こちらもPowerShellから以下の様にサイレントインストールします。

# Install Python
$PYTHON_VER = '2.7.13'
$PYTHON_INSTALL_PATH = 'C:\Python27'
Invoke-WebRequest -Uri "https://www.python.org/ftp/python/$($PYTHON_VER)/python-$($PYTHON_VER).amd64.msi" -OutFile "$(Get-Location -PSProvider Filesystem)\python-$($PYTHON_VER).amd64.msi"
Start-Process -FilePath "msiexec.exe" -ArgumentList @('/i', "$(Get-Location -PSProvider Filesystem)\python-$($PYTHON_VER).amd64.msi", '/qb', "TARGETDIR=""$PYTHON_INSTALL_PATH""", 'ALLUSERS=1', 'ADDLOCAL=ALL') -Wait -PassThru
# PowerShellを再起動しない場合はPATHを追加しておく
$env:PATH = $env:PATH + ";$PYTHON_INSTALL_PATH;$(Join-Path $PYTHON_INSTALL_PATH "Scripts")"

このインストールでは、

  • インストール先 : C:\Python27
  • インストール対象 : すべてのオプション

のインストールを行います。

3. Tracのインストール

The Trac Project

ここからTracをインストールし、VisualSVN Server上のApacheで動作させます。

3-1. Tracのインストール

pipからTrac(+Genshi)、Babelをインストールします。
Tracのバージョンは現時点の安定板であるVer.1.2.2とします。

# 一応Tracのバージョンを指定してインストール。同時にGenshiもインストールされる。
pip install Trac==1.2.2
pip install Babel

ここで理由は不明なのですが、util\__init__.pyファイル内で、ctypes.windll.kernel32.MoveFileTransactedWを呼び出すとエラーとなってしまったのでMoveFileTransactedに置換するパッチを当てておきます。
環境によってはこのパッチは不要かもしれません。

$PYTHON_INSTALL_PATH = 'C:\Python27'

# Trac 1.2.2用パッチ
# ※Windows Server 2016だとこのパッチ無しでもエラー無く動作しました。  
& {
    $SitePackagesDir = Join-Path $PYTHON_INSTALL_PATH "Lib\site-packages\"
    $InitFilePath = Join-Path $SitePackagesDir "trac\util\__init__.py"
    Copy-Item $InitFilePath "$($InitFilePath).orig"
    (Get-Content -LiteralPath $InitFilePath -Raw) -replace 'MoveFileTransactedW','MoveFileTransacted' | Set-Content -LiteralPath $InitFilePath
}

3-2. デフォルトプロジェクトの作成

続けてデフォルトのサンプルプロジェクトを作成し、VisualSVN Server上のApacheにデプロイします。
プロジェクト名はSampleProject、作成先はC:\Projcets\Tracとしています。

$VISUALSVN_INSTALL_PATH = 'C:\Program Files\VisualSVN Server'

# デフォルトのプロジェクトを作成
$TRAC_PROJECT_ROOT_PATH = 'C:\Projcets\Trac'
$TRAC_DEFAULT_PROJECT_NAME = 'SampleProject'
$TRAC_DEFAULT_PROJECT_PATH = Join-Path $TRAC_PROJECT_ROOT_PATH $TRAC_DEFAULT_PROJECT_NAME
mkdir $TRAC_PROJECT_ROOT_PATH -Force
trac-admin $TRAC_DEFAULT_PROJECT_PATH initenv $TRAC_DEFAULT_PROJECT_NAME sqlite:db/trac.db
# ローカルAdministratorを管理者に
# ※ここの Administrator、TRAC_ADMIN は大文字小文字を区別するので注意
trac-admin $TRAC_DEFAULT_PROJECT_PATH permission add Administrator TRAC_ADMIN

# Apacheの実行ユーザー(NETWORK SERVICE)にアクセス権を与える
& {
    $Acl = Get-Acl -LiteralPath $TRAC_PROJECT_ROOT_PATH
    $Rule = New-Object System.Security.AccessControl.FileSystemAccessRule("NETWORK SERVICE","FullControl","ContainerInherit,ObjectInherit","None","Allow")
    $Acl.SetAccessRule($Rule)
    $Acl | Set-Acl -LiteralPath $TRAC_PROJECT_ROOT_PATH
}

# プロジェクトのデプロイ
trac-admin $TRAC_DEFAULT_PROJECT_PATH deploy $VISUALSVN_INSTALL_PATH

3-3. pthファイルの追加

次に、先程インストールしたPythonからVisualSVNにインストールされているパッケージを読み込むために、独自のpthファイルを追加しておきます。

$VISUALSVN_INSTALL_PATH = 'C:\Program Files\VisualSVN Server'
$PYTHON_INSTALL_PATH = 'C:\Python27'

# 独自のpthファイル、trac_custom.pth を追加し、SVN関連パッケージのPATHを記載。
@"
$((Join-Path $VISUALSVN_INSTALL_PATH "bin") -replace '\\','\\')
$((Join-Path $VISUALSVN_INSTALL_PATH "PythonPackages") -replace '\\','\\')
"@ -replace "`n","`r`n" | Set-Content (Join-Path $PYTHON_INSTALL_PATH "trac_custom.pth") -Encoding Default

3-4. Apacheの設定

VisualSVN SeverのApacheには、カスタマイズ用に\conf\httpd-custom.confという空ファイルがデフォルトで用意されています。

以下のコマンドを実行して、このファイルの内容をカスタマイズします。
今回はWSGIを使う最低限の設定のみ入れていますが、必要に応じて変更しても良いでしょう。

$VISUALSVN_INSTALL_PATH = 'C:\Program Files\VisualSVN Server'

# httpd-custom.conf ファイルのカスタマイズ
@"
# Customize for Trac
LoadModule wsgi_module bin/mod_wsgi.so
WSGIScriptAlias /trac "$(Join-Path $VISUALSVN_INSTALL_PATH "cgi-bin\trac.wsgi")"

<Location "/trac/">
  WSGIApplicationGroup %{GLOBAL}
</Location>
"@ -replace "`n","`r`n" | Set-Content (Join-Path $VISUALSVN_INSTALL_PATH "conf\httpd-custom.conf") -Encoding Default

続けて、\cgi-bin\trac.wsgiの内容をカスタマイズします。
このファイルは前項のプロジェクトのデプロイ時に作成されているのですが、内容は変更する必要があります。

$VISUALSVN_INSTALL_PATH = 'C:\Program Files\VisualSVN Server'
$PYTHON_INSTALL_PATH = 'C:\Python27'
$TRAC_PROJECT_ROOT_PATH = 'C:\Projcets\Trac'

# trac.wsgi ファイルのカスタマイズ
@"
#!$(Join-Path $PYTHON_INSTALL_PATH "python.exe")
import os
os.environ['TRAC_ENV_PARENT_DIR'] = '$($TRAC_PROJECT_ROOT_PATH -replace '\\','\\')'
import trac.web.main
application = trac.web.main.dispatch_request
"@ -replace "`n","`r`n" | Set-Content (Join-Path $VISUALSVN_INSTALL_PATH "cgi-bin\trac.wsgi") -Encoding Default

3.5 VisalSVN Serverの再起動

これで一通りの設定は完了です。
最後にVisalSVN Serverを再起動します。

Stop-Service VisualSVNServer
Start-Service VisualSVNServer

4. プロジェクトのカスタマイズ

この時点でhttps://localhost/tracにアクセスすればTracを利用できるはずです。
ユーザー認証はVisualSVNの認証を引き継いでいます。

f:id:stknohg:20170803185332p:plain

ただ、プロジェクトの初期状態ではバナーが非表示であったり、ソース管理の設定がなされていないので、必要に応じてtrac.iniを修正してやる必要があります。

f:id:stknohg:20170803185354p:plain

今回は以下の内容を修正しました。

# ソース管理にSubversionを使用する
[components]
tracopt.versioncontrol.svn.* = enabled

# ロゴをデフォルトのものに設定
[header_logo]
src = common/trac_banner.png

f:id:stknohg:20170803185433p:plain

f:id:stknohg:20170803185459p:plain

f:id:stknohg:20170803185511p:plain

これで最低限動作する状態になります。

f:id:stknohg:20170803185525p:plain

後は必要に応じてカスタマイズしてください。

*1:Redmineに移行しようと思っているので...

WindowsのVisual Studio CodeでGo言語の開発環境を作る(2017年7月版)

以前、

blog.shibata.tech

で書いた手順が最新バージョンでさらに変わっていたので新たにエントリを起こしました。

各ツールのバージョンは、

  • Visual Studio Code 1.14.1
  • Go for Visual Studio Code 0.6.62
  • Git for Windows 2.13.3
  • Go 1.8.3

で実施しています。

1. Visual Studio Codeのインストール

こちらはこれまで通りです。

code.visualstudio.com

公式サイトからインストーラーをダウンロードして適当にインストールします。
今回Stableの64bit版がリリースされていたのでこれまでインストールしていた32bit版から新たにインストールしなおしました。

そしてGo for Visual Studio Codeの拡張機能を追加します。

Goで拡張機能を検索して出てくる、キモいかわいいGopher君のヤツを追加してください。

f:id:stknohg:20170720202049p:plain

2. Gitのインストール

go getコマンドなどでGitが必要になるのでインストールします。

git-for-windows.github.io

からインストーラーをダウンロードして適当にインストールします。

通常であればPATHが通っているのでgitコマンドが普通に使える様になるはずですが、通っていなければPATHを通しておいてください。

3. Goのインストール

The Go Programming Language

からWindows用のインストーラーをダウンロードしてインストールします。
今回はgo1.8.3.windows-amd64 (Ver.1.8.3)C:\Go\にインストールしました。

インストール後、必要があればGOROOTを設定し%GOROOT%\binに対してPATHを通します。
GOROOTの設定は任意ですが、PATHを通すのは必ず行ってください。

PowerShellからだと以下の様な感じで設定できます。

# GOROOTの設定 (要管理者権限)
# ※ GOROOTは必要がある場合のみ設定
$GOROOT = 'C:\Go'
$GOROOTBIN = (Join-Path $GOROOT "bin")
[Environment]::SetEnvironmentVariable('GOROOT', $GOROOT, 'Machine')
[Environment]::SetEnvironmentVariable('PATH', [Environment]::GetEnvironmentVariable('PATH', 'Machine') + ";$GOROOTBIN", 'Machine')

続けてGOPATHを設定します。
今回GOPATH%USERPROFILE%\Goにし、%GOPATH%\binに対してPATHも通しておきます。

# GOPATHの設定
$GOPATH = (Join-Path $env:USERPROFILE "Go")
$GOPATHBIN = (Join-Path $GOPATH "bin")
mkdir -p $GOPATHBIN
[Environment]::SetEnvironmentVariable('GOPATH', "$GOPATH", 'User')
[Environment]::SetEnvironmentVariable('PATH', [Environment]::GetEnvironmentVariable('PATH', 'User') + ";$GOPATHBIN", 'User')

ちなみに

今回はGOPATHを環境変数で設定しましたが、代わりにsettigns.jsongo.inferGopathおよびgo.gopathパラメーターを使って設定することもできる様です。
詳細については、GOPATH in the VS Code Go extension · Microsoft/vscode-go Wiki · GitHubを参照してください。

ここまでで必要なソフトウェアのインストールは完了です。

4. Go for Visual Studio Codeための環境設定

ここからGo for Visual Studio Codeための環境設定を行います。

必要パッケージのインストール

過去の手順では自前で必要なパッケージをgo getしていましたが、最新のGo for Visual Studio Codeでは内部コマンドで必要なパッケージのセットアップを行ってくれます。
コマンドパレットを開き、

> Go: Install/Update Tools

を選択すると現在のsettings.jsonの設定に応じて自動で必要なパッケージをgo get -u -vしてくれます。

f:id:stknohg:20170720203704p:plain

f:id:stknohg:20170720204141p:plain

上図を見ればわかりますが、Delveも一緒にインストールしてくれます。
インストールの細かい挙動についてはソース(goInstallTools.ts)を見て確かめてください。

エラーがなければ%GOPATH%\bin配下に各パッケージの実行ファイルができているはずです。

f:id:stknohg:20170720204626p:plain

最後に

これでGoの開発環境が出来上がります。
あとは適当にコードを書いてデバッグしてやればOKです。

f:id:stknohg:20170720204940p:plain

必要なパッケージのインストールがほぼ自動化されたので環境構築が非常に楽になりました。